Ubuntu 20.04 にアップグレードする
Ubuntu 20.04 がリリースされた。 20.04 は長期サポート版で2025年4月までサポートが有効である。
19.10 または長期サポート版の 18.04 から 20.04 へのアップグレードはリリースノートを参考にするとよい。 基本的には
$ update-manager -c -d
とアップグレード・モードで GUI を起動すれば,あとはよろしくやってくれる。 ただし 20.04 では32bitアーキテクチャをサポートしなくなったので,この場合は 18.04 からアップグレードしてはいけない1。
なお,アップグレード時にサードパーティの APT リポジトリ(git や ATOM など)が外れるので,必要ならアップグレード時に戻して更新すること。
個別のアプリケーションについて
GnuPG および Libgcrypt
よーやく GnuPG/Libgcrypt のバージョンが上がったよ。
$ gpg --version
gpg (GnuPG) 2.2.19
libgcrypt 1.8.5
Copyright (C) 2019 Free Software Foundation, Inc.
License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <https://gnu.org/licenses/gpl.html>
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.
Home: /home/username/.gnupg
サポートしているアルゴリズム:
公開鍵: RSA, ELG, DSA, ECDH, ECDSA, EDDSA
暗号方式: IDEA, 3DES, CAST5, BLOWFISH, AES, AES192, AES256,
TWOFISH, CAMELLIA128, CAMELLIA192, CAMELLIA256
ハッシュ: SHA1, RIPEMD160, SHA256, SHA384, SHA512, SHA224
圧縮: 無圧縮, ZIP, ZLIB, BZIP2
まぁ,現時点での最新版は 2.2.20 だけどね。 ちなみに GnuPG 2.2.17 から SHA-1 電子署名の扱いが変わったのでご注意を。
OpenSSH および OpenSSL
アップグレード直後の OpenSSH および OpenSSL のバージョンは以下のとおりだった。
$ ssh -V
OpenSSH_8.2p1 Ubuntu-4, OpenSSL 1.1.1f 31 Mar 2020
OpenSSH は 2020-02-14 にリリースされた最新版が入っているようだ。 ただ OpenSSL はこの前セキュリティ・アップデートがあったばかりなんだよねぇ。
まぁ,間に合わなかったんだろうけど。 CVSSv3 のスコアが 7.5 で深刻度が高いので早めの対応をお願いしたい。
保留されているパッケージ
アップグレード後に libc++1
が保留状態で残っていた。
保留状態のパッケージがある場合は
$ sudo apt full-upgrade
で保留分をまとめてアップグレードするか,個別に
$ sudo apt install libc++1
などとすればいいようだ。
GCC が消えとるがな
アップグレードしたら何故か GCC が削除されてた orz
しょうがないので
$ sudo apt install build-essential
したですよ。 Rust のコンパイル・リンクも問題なく動くみたいだし,いっかな2。
ちなみに GCC は 9.3 が導入される。
ATOM も削除される
サードパーティ・リポジトリから ATOM をインストールしている場合,アップグレード時に APT のリストからリポジトリが外されるだけだが,今回の 20.04 へのアップグレードでは ATOM 自体がまるっと削除される。
ただし設定やパッケージはそのまま残っているので,リポジトリ設定を戻して apt install
し直せばおっけ。
Lollypop
どうやら Lollypop は標準の APT リポジトリに入ったらしい。 いつからだ?
$ apt show lollypop
Package: lollypop
Version: 1.2.35-1
Priority: optional
Section: universe/gnome
Origin: Ubuntu
...
ちうわけで,もう PPA リポジトリを使わなくともよさそうである,多分。
【追記 2020-04-28】 Libsecret のアップデート
Git credential helper である GNOME/libsecret もバージョンが上がっているようだ。
$ apt show libsecret-1-dev
Package: libsecret-1-dev
Version: 0.20.2-1
Priority: optional
Section: libdevel
Source: libsecret
Origin: Ubuntu
...
GNOME/libsecret は apt upgrade
しただけではダメで,手動でビルドする必要がある。
$ mkdir ~/work
$ cd ~/work
$ cp -r /usr/share/doc/git/contrib/credential/libsecret .
$ cd libsecret
$ make
gcc -g -O2 -Wall -pthread -I/usr/include/libsecret-1 -I/usr/include/libmount -I/usr/include/blkid -I/usr/include/glib-2.0 -I/usr/lib/x86_64-linux-gnu/glib-2.0/include -o git-credential-libsecret.o -c git-credential-libsecret.c
gcc -o git-credential-libsecret git-credential-libsecret.o -lsecret-1 -lgio-2.0 -lgobject-2.0 -lglib-2.0
これで生成した git-credential-libsecret
を $PATH
の通ったディレクトリに放り込んでおけばよい。
【2020-05-15 追記】 日本語 Remix のリリースと Bootable USB メモリの作成
Japanese Team による Ubuntu 20.04 LTS 日本語 Remix がリリースされた。 感謝!
Japanese Team による追加パッケージのリポジトリを導入するには以下の手順を実行する。
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/focal.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
$ sudo apt update
また ISO イメージ・ファイルも公開されているのでこれを使って bootable USB メモリを作成しておく。 詳しくは以下の拙文を参考にどうぞ。
ブックマーク
- Ubuntu 20.04 その23 - Ubuntu 20.04 LTSがリリースされました・ディスクイメージのダウンロード - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その24 - Ubuntu 20.04 LTSの新機能と変更点 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その25 - Ubuntu 20.04 LTSの既知の問題 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その26 - Ubuntu 20.04.1 LTSのリリーススケジュール・Ubuntu 18.04 LTSユーザーにアップグレードパスの提供 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その27 - Qt 5.14.2の採用見送りとQt 5.12.8の採用 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その28 - Ubuntu Desktopの新機能と魅力・様々な新機能と改良点の紹介 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 その29 - Linux kernel 5.4の新機能 - kledgeb
- Ubuntu 20.04 LTSインストールガイド【スクリーンショットつき解説】 | LFI
- (今はまだ)WSL1にUbuntu 20.04を入れるな - Qiita
- Ubuntu 20.04 その48 - Ubuntu 20.04 LTS 日本語 Remixがリリースされました・ディスクイメージのダウンロード - kledgeb
参考
- シリコンパワー USBメモリ 32GB USB3.1 / USB3.0 亜鉛合金ボディ 防水 防塵 耐衝撃 永久保証 PS4動作確認済 Jewel J80 SP032GBUF3J80V1TJA
- シリコンパワー (Release 2017-02-01)
- Personal Computers
- B01NBU1OS5 (ASIN), 4712702655292 (EAN)
- 評価
OS 移行用に購入。ひたすらデザインで決めた(笑) よく考えたら32GBも要らなかった。まぁ,何か使い道があるだろう。