GnuPG 2.3.7 のリリース【セキュリティ・アップデート】

no extension

サボってました。 まじすんません。

毎度遅まきながらで申し訳ないが GnuPG 2.3.6 および 2.3.7 がリリースされている。

GnuPG 2.3.7 については1件の脆弱性が修正されている。

This release fixes CVE-2022-34903 which could be used to inject wrong status information in signatures. The status information could then be abused to display a wrong validity in Kleopatra and other users of GPGME.

CVE-2022-34903

Fix possibly garbled status messages in NOTATION_DATA. This bug could trick GPGME and other parsers to accept faked status lines.
  • CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:L/A:N
  • 深刻度: 警告 (Score: 6.5)
基本評価基準 評価値
攻撃元区分 ネットワーク
攻撃条件の複雑さ
必要な特権レベル 不要
ユーザ関与レベル 不要
スコープ 変更なし
機密性への影響
完全性への影響
可用性への影響 なし

GnuPG 関連パッケージ

GnuPG 関連の各パッケージのバージョンは以下の通り(数字は大体のビルド順)。

# パッケージ名 バージョン 公開日 更新
1 Libgpg-error 1.45 2022-04-21
2 Libgcrypt 1.8.9 (LTS) 2022-02-07
Libgcrypt 1.10.1 2022-03-28
3 Libassuan 2.5.5 2021-03-22
4 Libksba 1.6.0 2021-06-10
5 nPth 1.6 2018-07-16
6 ntbTLS 0.3.1 2022-04-07
7 GnuPG 2.2.36 (LTS) 2022-07-06
GnuPG 2.3.7 2022-07-11

うわっ! 2.2系もバージョンが上がってるぢゃん。 アナウンスがないぞ。

現在 GnuPG には2.2系と2.3系があり1,2.2系は LTS 版に位置付けられている。 2.3系では AEAD (Authenticated Encryption with Associated Data) 等 RFC 4880bis で検討されている機能が実装されているので,最新機能を試したいのであればこちらを入れるとよいだろう。 なお2.2系は少なくとも2024年末まではサポートが続けられる予定である。 通常運用であれば,当面は2.2系でも問題ない(ECC も対応してるよ)。

アップデートは計画的に。

ブックマーク

参考図書

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暗号化 プライバシーを救った反乱者たち
スティーブン・レビー (著), 斉藤 隆央 (翻訳)
紀伊國屋書店 2002-02-16
単行本
4314009071 (ASIN), 9784314009072 (EAN), 4314009071 (ISBN)
評価     

20世紀末,暗号技術の世界で何があったのか。知りたかったらこちらを読むべし!

reviewed by Spiegel on 2015-03-09 (powered by PA-APIv5)

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暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
結城 浩 (著)
SBクリエイティブ 2015-08-25 (Release 2015-09-17)
Kindle版
B015643CPE (ASIN)
評価     

SHA-3 や Bitcoin/Blockchain など新しい知見や技術要素を大幅追加。暗号技術を使うだけならこれ1冊でとりあえず無問題。

reviewed by Spiegel on 2015-09-20 (powered by PA-APIv5)


  1. 厳密には1.4系もあるが,これは legacy 版と位置付けられており,よほどのバグか脆弱性がない限りは更新されない。もし今だに1.4系(あるいは既にサポートされていない2.0/2.1系)を使っているのなら2.2系以降にアップグレードすることを強くお勧めする。 ↩︎