「けもフレ」ロスは続く。

no extension

「けもフレ」ロスは続く。 「メッセージ」が封切られるまでの我慢。 テッド・チャンの作品がどうなってるのか。

  1. 「けもフレ」最終話で泣けたシーン
  2. Commons としての「けもフレ」
  3. 【追記】息抜きで作られた「12.1話」

「けもフレ」最終話で泣けたシーン

この記事を参考に私も便乗してもう少しだけ感想を書いてみる。 私のこの手の戯れ言はいつものように偏見に塗れてるのであしからず。

前に書いたとおり,「けもフレ」最終話では「嬉しい」「かっこいい」が先に立って個人的に泣けるシーンはあまり無かったのだが,唯一本気で泣きそうになったシーンがボス(ラッキービースト)とサーバルの会話シーン。

「サーバル、3人での旅楽しかったよ」

そこだけ聞くと深夜アニメにありがちな「フラグ」に見える(実際に海に沈むしw)。 でも,ボスは(質問に対する応答ではなく)意思を持って「楽しかった」と言ったのだ。 これを驚きと言わずになんと言うのだ!

ボスは(みんな自由に生きている)フレンズたちとは異なり「ジャパリパーク」というシステムに帰属する存在で,システムのルールに従って行動する「スマートな機械1」だ。 カバンちゃんに対してフレンドリーに見える態度もボスの「機能」であり,それ故にイレギュラーに弱い「ポンコツ」だったのだ。 それは11話でカバンちゃんにパークガイド権限を付与する際も同様に見えた2

それが最終話でこの爆弾発言である。 (長老などを除く)ほとんどのフレンズたちは端からボスを「(喋らないけど)意思を持つ者」として認知しているだろうし,それ故にこの発言の意味に微塵も気づいてないが視聴者はそうはいかない。 ルールにより制限された行動の中でサーバルに「楽しかった」と告げたその言葉の奥にどんな「想い」があるのか。 想像するだけで泣けてくる。

ボスも「のけもの」じゃなかった。 ボス視点だけでお話が作れちゃうよ(笑)

Commons としての「けもフレ」

このインタビュー記事の以下の部分が刺さった。

梶井:アニメ作品に限りませんが、たいていは1クールなりで終わって、それまでです。仮にBDやグッズ、原作本が売れて、海外にも番組が売れて大成功となって2期やりましょうとなっても、結局は消費されるだけの運命です。『けものフレンズ』は、そういう作品にはしたくなかった。
福原:それこそお話のプロットをいくつか作って、吉崎先生に読んでいただいたんです。あのときは深夜の「萌系アニメ」や「バトル寄りのお話」もあったんです。でも、すべてなくなって、いまのカタチになりました。萌系アニメやバトルアニメはテンプレートがあるので、みんなにとってはわかりやすいんですけどね。

――テンプレート通りの作品だったら、いまのブームは来てなかった?

梶井:来てたかもしれませんが、3ヵ月で忘れられると思います。それが「消費されるアニメ」だから。とか偉そうに言ってますが、いまの『けものフレンズ』もどうなるかわかりませんけどね(笑)。

これで連想したのはいわゆる「クトゥルー神話」だ。 あんな感じで「けもフレ」設定を中心とした生態系(ecosystem)ができると面白いねぇ。

とりあえず「オフィシャルガイドブック」は買った方がいいのかなぁ。 はっきり言って BD は要らんのだが。 BD 抜きで2,000円~3,000円くらいで売ってくれんかな。

【追記】息抜きで作られた「12.1話」

息抜きで作られたらしいけど,これ音も声もちゃんと入ってるやん。 これが「野生解放」か! もう感謝しかない。

ブックマーク

参考図書

photo
けものフレンズ コミックアラカルト ジャパリパーク編 けものフレンズコミックアラカルト (角川コミックス・エース)
少年エース編集部 (編集), けものフレンズプロジェクト (その他)
KADOKAWA 2017-03-25 (Release 2017-03-25)
Kindle版
B06XPL6LX6 (ASIN)
評価     

アルパカは愛されてるなぁ。

reviewed by Spiegel on 2017-03-29 (powered by PA-APIv5)


  1. 「AIを搭載」は「全て自然」同様の技術的ナンセンスだ | TechCrunch Japan」参照。 ↩︎

  2. パークガイド権限の付与はカバンちゃんの「お客さんじゃない」発言と帽子の飾り羽をイベント・トリガーとした機械的な反応に見える。でも実際にはボスはカバンちゃんの行動を予測し カバンちゃんを助ける ために他のラッキービーストを通じて救援を要請している。それも最終話で分かるようになってるんだけど。 ↩︎