階級社会としてのインターネット
『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて』はまだ買えてません。 ちょっと今買えない環境なので。 ゴメンペコン(感想文を書きました)。
一部を抜き出す。
要点を日本語に訳しておく。
- 壊れてしまったウェブを正す:監視資本主義(surveillance capitalism)が大手を振り、消費者はプライバシーやデータのやり取りに疲弊している
- サードパーティの広告モデルの破壊:インターネットとテレビの広告が融合するところに大きな破壊が起こりつつある。我々はより多くのコンテンツをサポートする新たな手段を見つける必要がある。
- 暗号通貨と脱中央集権化(decentralization)の受け入れ:我々のシステム(Brave)は最終的には分権化することになる。
- 消費者は広告システムにオプトインできるべきだし、企業はプライバシーバイデザインを受け入れなくてはならない。
- オープンソースは企業にとって手持ちの掛け金だ:ブロックチェーンの大きな価値は、コードがオープンソースであり、その台帳がすべてオープンで公開されており、監査可能であることにある。
- ユーザの興味と合致する企業を作る
- ブラウザ戦争は終わっていない:Chrome などのブラウザが広告企業の手にある世界では、新たなブラウザが必要だ。
うーむ。 P2P ファイル共有が泡沫の夢で終わったように1 Blockchain を礼賛する季節も終わりつつあると思うのだが。
既に Blockchain 自体は脱中央集権化の象徴ではないし,元祖 Blockchain 実装である Bitcoin も fork を許容したことで色々と前提が崩れ始めている。 バベルの Bitcoin だな(笑)
Blockchain の(意図された)計算集約的システムはユーザを “Power” で選別してしまうため,少数の特権ユーザとそれにぶら下がる多数の奴隷ユーザという今のインターネットの構図そのままになるだろう。 ていうか,もうなってるし。
それが暴力であれ財力であれ情報力であれ,結局は “Power” を背景にした階級社会を構成してしまうという点で人類はあまり進歩していないのかもしれない2。
ブックマーク
参考図書
- もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来
- yomoyomo (著)
- 達人出版会 2017-12-25 (Release 2019-03-02)
- デジタル書籍
- infoshare2 (tatsu-zine.com)
- 評価
WirelessWire News 連載の書籍化。感想はこちら。祝 Kindle 化!
reviewed by Spiegel on 2018-12-31