「新暦七夕」なるものは存在しない

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そろそろ七夕について言及される季節ですかねぇ。

この記事を見て「新暦七夕」なる単語が気になった。 きっと「伝統的七夕」の対義語として考えた造語だろうが「なんだかなぁ」というセンスである。

いわゆる「五節句(人日 (じんじつ) 上巳 (じょうし) 端午 (たんご) 七夕 (しちせき) 重陽 (ちょうよう) )」は江戸幕府によって定められたそうだが「明治の改暦」で廃止された。 なので現行暦には七夕を含む五節句は,公式には,存在しない

ただし,盂蘭盆と同じく五節句も民間信仰として深く浸透していたため改暦後も廃れることなく残っている。 もっとも現行暦に無理やり日付を合わせて祝ったり「月遅れ」で祝ったりと地域によって差異があるが1

ちなみに私は田舎の子なので,正月の「人日(七草)」以外は月遅れで祝っていた。 今はメディアの発達のせいか田舎のそういった風習は塗り潰されてしまっているらしく「月遅れ」はなくなっているっぽい。

七夕に関して言うと現行暦の7月7日は日本の多くの地域で梅雨 (雨期) まっ盛りだったりするので,いわゆる「織姫・彦星伝説」にそぐわない天候である。 そこで国立天文台では夏(休み)にもっと星に親しんでもらうため「伝統的七夕」を定義した。 内容は以下の通り。

二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目が「伝統的七夕」の日です。
via 質問3-10)伝統的七夕について教えて | 国立天文台(NAOJ)

この定義は,なるべく明治の改暦以前の暦(太陰太陽暦)の七夕に近い日が伝統的七夕となるよう調整されている2。 たとえば2019年の処暑は8月23日で「処暑に最も近い朔」は8月1日なので伝統的七夕は8月7日ということになる3

なお伝統的七夕とは別に毎年8月最初の1週間は「スター・ウィーク」として日本各地で星に関するイベントが行われている。 2019年のキャッチフレーズは

好きな星を 見つけませんか

だそうだ。 上手い具合に日程が伝統的七夕と被るので,併せて楽しんでいただければと思う。 スター・ウィークの後はペルセウス座流星群が待ってるぞ!

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天文年鑑編集委員会 (編集)
誠文堂新光社 2018-11-21
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天文ファン必携。2019年版。

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「寛政の改暦」のころの伊能勘解由(忠敬)とその妻とされる「おえい」の物語。感想はこちら

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7月7日、晴れ
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Sony Music Labels Inc. 1996-04-01 (Release 2014-04-01)
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ドリカムで唯一持ってる楽曲。大きな声では言えないが,個人的には失恋ソングである(笑)

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  1. 明治の改暦以前は民間歴を含めて様々な暦が乱立していたそうなので,この程度の差異は差異に入らないかもしれないが(笑) [return]
  2. 現在「旧暦」と呼ばれているものは江戸時代の「天保暦」がベースになっていると言われているが,当時と今では天文観測基準が異なるため,厳密には「天保暦」を再現できているとは言えない。実際の「旧暦」の運用は現行暦の暦象(朔望月や二十四節気等)を元に「天保暦」のルールを当てはめて運用しているらしい。なので「旧暦2033年問題」みたいなことも起こったりする。 [return]
  3. 日本では国立天文台が毎年2月1日に翌年の暦要項を公表する。なお伝統的七夕は雑節にも入らないので暦要項には載っていない。キャンペーン・イベントみたいなものだからね。 [return]