ベテルギウスはあと10万年はたたかえる（笑）
昨年末から天文ファンに話題を振りまいているオリオン座のベテルギウスだが
おかげさまでより詳細な観測が行われるようになった結果，今まで考えられていたより少しだけ私達の太陽系から近い位置にあるらしいことが分かったそうな。
この記事によると
“The actual physical size of Betelgeuse has been a bit of a mystery—earlier studies suggested it could be bigger than the orbit of Jupiter. Our results say Betelgeuse only extends out to two thirds of that, with a radius 750 times the radius of the sun,” Dr. Molnár said.
“Once we had the physical size of the star, we were able to determine the distance from Earth. Our results show it’s a mere 530 light years from us—25 percent closer than previous thought.”
とのこと。 つってもねぇ…
ベテルギウスの距離は年周視差を使って計測されていたが
元より誤差が大きくてあまり信用されてないのですよ。
ちなみに『理科年表 2020』には498光年とあり1，注釈で「誤差が10%を越える」とある。 更に『天文年鑑 2020年版』に至っては430光年と書かれている。 これらのカタログスペックを見慣れている人には「530光年って別に近くなってないよな。つか大体あってる」って感じである（笑）
で，注目なのは，今回の観測で
“It’s burning helium in its core at the moment, which means it’s nowhere near exploding,” Dr. Joyce said.
“We could be looking at around 100,000 years before an explosion happens.”
てなことが分かったそうで，10年どころかあと10万年は余裕で戦えるらしい（笑）
ベテルギウスについてはこれからも観測と議論が続くと思うけど，こうやって知見が深まるのはよいことだと思う。
参考図書
- 理科年表 2020
- 国立天文台 (編集)
- 丸善出版 2019-11-20
- 文庫
- 4621304259 (ASIN), 9784621304259 (EAN), 4621304259 (ISBN)
- 評価
日本における令和への改元や国際単位系（SI）の定義改定などに関するトピックを多く掲載。2020年版は（保存用として）買いかも。
- 天文年鑑 2020年版
- 天文年鑑 編集委員会 (編集)
- 誠文堂新光社 2019-11-20
- 単行本
- 4416719485 (ASIN), 9784416719480 (EAN), 4416719485 (ISBN)
- 評価
天文ファン必携。2020年版。
- 天体物理学
- Arnab Rai Choudhuri (著), 森 正樹 (翻訳)
- 森北出版 2019-05-28
- 単行本
- 4627275110 (ASIN), 9784627275119 (EAN), 4627275110 (ISBN)
- 評価
興味本位で買うにはちょっとビビる値段なので図書館で借りて読んでいたが，やっぱり手元に置いておきたいのでエイヤで買った。まえがきによると，この手のタイプの教科書はあまりないらしい。内容は非常に堅実で分かりやすい。理系の学部生レベルなら問題なく読めるかな。
- 機動戦士ガンダム
- 富野喜幸 (監督), 株式会社サンライズ (プロデュース)
- Prime Video
- B00FYJ1MMC (ASIN)
- 評価
これのおかげでアニメで戦争論を語る馬鹿（オタク）が増えたと言われる歴史的作品（笑）
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改訂ヒッパルコス星表（2007）の年周視差から計算。 ↩︎