業を積むオタク — 『ゆるゆる古典教室』を読む
今年の夏はもう読書感想文はいいかなぁ1,と思ってたのだが,たまたま過去の VTuber 配信を見てたら,以下の本が紹介されてたので,つい買ってしまった。
- ゆるゆる古典教室 オタクは実質、平安貴族【電子特典付き】
- 生活・実用書「ゆるゆる古典教室 オタクは実質、平安貴族【電子特典付き】」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。古典は実質、インターネット――大昔に日本でバズった作品たちを古典という
- Release 2025-07-25
- 評価
[Comment] にじさんじのライバー栞葉るりさんによるエッセイ? かな? 平安時代のいわゆる女流文学と現代オタクとの対比がめっちゃ面白い。
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実用書っスか KADOKAWA さん(笑) Kindle 版は固定レイアウトになっているので,ブラウザで Kindle Cloud Reader から読める。
せっかくなので,これの感想を書いて夏休みの読書感想文としよう。
物語として古典を楽しむ
実は私,若干自慢だが,学校授業の古文は割と得意だったんだよ。 なんなら現国より成績がよかった。 日常で使わないから,ほとんど忘れたけど。
あの頃を振り返ると古文ってプログラミングなんじゃないだろうか。 授業で習う古文って感情に対する表現(=コード)が決まってるから(丸暗記じゃなく)ロジックで覚えられるし読める。 でも(古文じゃなく)古典作品を「物語」として楽しむ域には達しなかったのね。 あくまで受験対策。
駄目なオタクとしての少納言
物語として古典が面白いと思うようになったのは,今世紀に入って,くずしろさんの『姫のためなら死ねる』シリーズを読んでから。
- 姫のためなら死ねる - 竹書房
- くずしろ 著
- Release 2024-05-16
- 評価
[Comment] 変態(笑)清少納言を中心としたコメディ平安史の最終巻。読んでるとこっちのほうが正史では?とか思ってしまう。
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いや,こっちのほうが正史じゃね? ってくらい面白かったよ。 で,歴史的には中宮の定子ってかなり不遇なのに,最終巻をどうオチつけるんだろう? って思ってたら,回想オチでしたよ。 枕草子の構成そのまんま過ぎて笑ってしまった。
平安貴族の女性の扱いについては『ゆるゆる古典教室』にも書かれていて,そんな定子の不遇な結末を前提に『姫のためなら死ねる』を再読すると,なんというか「終わらない夏休み」みたいな,定子×少納言の「てぇてぇ」すら物語の「終わり」を仄めかす要素になっている。 これは読む順番を間違えたな(いや,出版順なら間違えてないが)。
枕草子や清少納言への評価は辛辣なものが多い気がするが,彼女を「駄目なオタク」と考えるなら,その評価でもしゃーないかと思ってしまう。 むしろ「業界ではご褒美」ってやつかも(笑)
業を積むオタク
源氏物語や枕草子など,平安時代のいわゆる女流文学作品と現代オタクとの対比が本当に面白かった。
内裏とはニコ厨の総本山
ゆるゆる古典教室より
やってることはネットミームを引用して会話するオタクと一緒
ゆるゆる古典教室より
古典が難しい理由の八割はこの身内ノリが原因
ゆるゆる古典教室より
最近オンラインノベルで覚えたフレーズに 「業を積む」 ってのがあるんだが(作品タイトル忘れた),昔も今もオタクってのは業を積み続ける存在なんだなぁ,と他人のふりをしてみる(笑)
史実ってのは「点」で,それを線で繋いで「歴史」になる。 でも,その線をどうやって引くかは人それぞれで,まさに(歴史)オタクの所業と言える。 特に古代は「点」が少ない分,いくらでも解釈の余地があるってのがロマンなのだ。
これからも学のあるオタクたちにおいては,粛々と業を積んでいただきたいものである。
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昨年は筒井康隆作品の感想文などを書いたが,今年夏の
#書庫らでんは「家族八景」みたいで,2年連続筒井康隆さんはちょっと,という感じで避けてた。 ↩︎
