『続・情報共有の未来』は付録から読むのがオススメ

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『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』(以後「続・情報共有の未来」と略称する)のバージョン 1.1.1 がリリースされた。 この本を既に購入済みであれば達人出版会サイトの「マイページ」から最新版を取得できる。

そして今回のバージョンアップで追加されたのが、「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」である。これは2018年10月8日に開催された「技術書典5」にて販売した特別版に収録された文章である。

PDF はとりあえず Kindle 端末にぶち込んだが,折角の休日なので PC 上で「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」を読んだ。 Instagram の写真を photo.Baldanders.info に取り込む作業は一時中断。

前に書いた感想文で「50章は(長いとか多いとかじゃなくて)デカい!」と書いたが,これからこの本を読むなら是非この付録を最初に流し読んでから改めて1章から読み進めるのがいいと思う。 この付録は「続・情報共有の未来」を読む際に思考のアンカーとして機能するだろう。 こういう風に追記できるのはEブックならではだよね。

私は感想文で「初期インターネットを夢想する「老害」たちは当時の「黄金時代」を忘れられず,かといって「ネットのテレビ化」も止められないという状況に陥っている」と書いて著者の yomoyomo さんに「ズバリと言われたものだなぁ(笑)」と言われてしまったが,付録を読んでいるとそういった「乖離」に世界が苛立っているようにも読める。

この前 ZDNet でホルヘ・ルイス・ボルヘスの「バベルの図書館」を「インターネットという情報宇宙」と紹介していたが1,今のインターネットはむしろ「バベルの塔」だろう。

国家や市場がインターネットに「情報(力)の搾取手段」あるいは「コンテンツ・デリバリ装置」としての価値しか認めず個人のプライバシーや自由になど鼻くそほどの価値も認めていないのであれば,私達はもはや中央集権システムとしてのインターネットから出ていくしかない。 あっ,これってヒッピーの発想か(笑)

全く以って余談だが「続・情報共有の未来」の付録を読んでるときに BGM で「宇宙夫婦船」が流れて,微妙なシンクロ具合にシリアスな文章なのについ笑ってしまった。

「デカルチャーだよ人生は」!

この記事はこの曲をヘヴィローテーションで聴きながら書いている。 こういう曲も書ける菅野よう子さんは偉大だと思う。

ブックマーク

参考図書

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もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来
yomoyomo (著)
達人出版会 2017-12-25 (Release 2019-03-02)
デジタル書籍
infoshare2 (tatsu-zine.com)
評価     

WirelessWire News 連載の書籍化。感想はこちら。祝 Kindle 化

reviewed by Spiegel on 2018-12-31

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CODE VERSION 2.0
ローレンス・レッシグ (著), 山形浩生 (翻訳)
翔泳社 2007-12-19 (Release 2016-03-14)
Kindle版
B01CYDGUV8 (ASIN)
評価     

前著『CODE』改訂版。

reviewed by Spiegel on 2018-11-17 (powered by PA-APIv5)

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ラテンアメリカの文学 砂の本 (集英社文庫)
ホルへ・ルイス・ボルヘス (著), 篠田 一士 (翻訳)
集英社 2011-06-28 (Release 2011-06-28)
文庫
4087606244 (ASIN), 9784087606249 (EAN), 4087606244 (ISBN)
評価     

ボルヘスの作品群で個人的に一番好きな作品。13編からなる短編集。その中の1編である「会議」の感想はこちら

reviewed by Spiegel on 2017-09-17 (powered by PA-APIv5)

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かもめのジョナサン【完成版】(新潮文庫)
リチャード・バック (著), 五木 寛之 (翻訳)
新潮社 2015-07-01 (Release 2015-12-18)
Kindle版
B01916B8V8 (ASIN)
評価     

「まぼろしの4章」を加えた完成版。私の中でヒッピー文化のイメージは子どものときに読んだ『かもめのジョナサン』であり,初期のインターネットも『かもめのジョナサン』の延長線上にあると理解している。

reviewed by Spiegel on 2017-01-23 (powered by PA-APIv5)


  1. インターネットのアナロジーとしてホルヘ・ルイス・ボルヘスの「バベルの図書館」を紹介する例はよく見かける。 ↩︎