「特別定額給付金」申請のナニがダメだったのか

no extension

「ダメだったのか」って過去形にしちゃったけど別にいいよね,もう今更だし。

いやね

を見て笑っちまったのよ。 特に

この問題を受け、郵送方式での申請を一部の自治体では推奨しています
via 特別定額給付金のオンライン申請で起きた問題についてまとめてみた

の部分。 それってただの「先延ばし」なんだけど(笑)

今回の「特別定額給付金」申請の最大の障害(ボトルネック)は申請受理の作業が「人力」である点だろう。 世帯単位での申請とはいえ人口の多い都会ほど世帯ごとの人数が少なくなるんだから,申請受理の「人力」作業でパンクしてしまうのは火を見るよりも明らか。 その上に個人番号カード発行や関連トラブルで混乱に拍車がかかっているのだから,ニンともカンとも。

オンライン申請で「おや?」と思った人も多いと思うが,申請時に提出する「添付書類1」って「目視」による確認らしいんだよね(そう明記されていた)。 しかも「特別定額給付金のオンライン申請で起きた問題についてまとめてみた」によると,そもそも申請データと住基データを「人力」で照合するなどという無駄な作業をしているらしい。 ホンマ,馬鹿だよねぇ。

これも住基ネットの呪いだよなぁ。 いや,むしろ個人情報保護法の呪いか(笑)

前にもどっかで書いたような気がするが,システムのセキュリティを考える際のポイントは「識別」と「認証」と「許可」の3つであり,これらをいかに上手く分離し組み合わせるかにかかっている。

かつての住基ネットや現在の個人番号システムの何が下手糞かって,この識別・認証・許可の混同によりサービス・ドメイン毎の適切な運用が阻害されていることだ。 更にこの無能なシステムを「個人情報保護法」なる悪法で無理やり規制しようとする2 から「特別定額給付金」のような子供の思い付きみたいな政策ですら実装困難になってしまうのだ。

けど,まぁ,前回も書いたけど,お祭り騒ぎが終われば忘れきって次回以降もまた同じことを繰り返すのだろう。

日本というのは本当に本当におバカな国である。

ブックマーク

参考図書

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セキュリティはなぜやぶられたのか
ブルース・シュナイアー (著), 井口 耕二 (翻訳)
日経BP 2007-02-15
単行本
4822283100 (ASIN), 9784822283100 (EAN), 4822283100 (ISBN)
評価     

原書のタイトルが “Beyond Fear: Thinking Sensibly About Security in an Uncertain World” なのに対して日本語タイトルがどうしようもなくヘボいが中身は名著。とりあえず読んどきなはれ。ゼロ年代当時 9.11 およびその後の米国のセキュリティ政策と深く関連している内容なので,そのへんを加味して読むとよい。

reviewed by Spiegel on 2019-02-11 (powered by PA-APIv5)


  1. 添付書類は「振込先講座の確認書類(写し)申請者名義の通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングの画面等の写し又は画像(口座番号、カナ氏名等が分かるもの)」とのこと。 ↩︎

  2. お忘れの方も多いかもしれないが,個人情報保護法はもともと「住基ネットを規制する」ために(住基法とセットで)考えられたものだ。これに様々な政治的思惑が重なったキメラみたいな法律が現在の個人情報保護法である。 ↩︎